2004年にスタートし、今年で20回目を迎える本屋大賞。
読書好きの方であれば、毎年楽しみにしている賞ですよね。
その年に話題になった小説がノミネートされます。
でも、そもそも本屋大賞って何?
と疑問をお持ちの方も多いはず。
そんな方のために本屋大賞についての概要や、歴代のおすすめの大賞作品、そしてもちろん2023年の本屋大賞ノミネート作品をご紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
本屋大賞とは?
本の賞と言えば、
- 芥川賞
- 直木賞
- 江戸川乱歩賞
など、有名な賞がたくさんあります。
このような本の賞はそれぞれ主催する団体が異なるほか、選考委員が作家さんだったりします。
一方で、本屋大賞の特徴は、
全国の書店員の投票だけで選ばれる賞なのです。
オンライン書店も含む、新刊書籍を扱う書店の店員であれば投票できます。
過去1年間の間で面白いと思った作品を選ぶことができます。
2023年本屋大賞の場合は、2021年12月1日から2022年11月30日の間に刊行された作品が対象となります。
プロの作家さんの視点ではなく、書店員の視点から選ばれるので、一味違ったラインナップが楽しめるのも本屋大賞の魅力です。
過去の本屋大賞オススメ作品
2003年にスタートし、今年2023年には20回目を迎える本屋大賞。
歴代の本屋大賞の一例として、以下のような作品があります。
2004年『博士の愛した数式』小川洋子
2009年『告白』湊かなえ
2013年『海賊と呼ばれた男』百田尚樹
2017年『蜜蜂と遠雷』恩田陸
2019年『そしてバトンは渡された』瀬尾まいこ
2020年『流浪の月』凪良ゆう
どの作品も、大きく話題を呼び映像化された作品ばかりですよね。
本屋大賞の作品は、話題になることが分かります。
2023年本屋大賞ノミネート10作品
それでは、いよいよ2023年本屋大賞にノミネートされた10作品をご紹介していきますよ。
今年も幅広いラインナップになりましたので、ぜひチェックしてみて下さいね!
作品名50音順でご紹介していきます。
『川のほとりに立つ者は』寺地はるな
2014年、『ビオレタ』でデビューした寺地はるなさん。
『水を縫う』『今日のハチミツ、明日の私』など、悩みの多い主人公が自分らしく生きていく心温まる作品が多いのが特徴です。
今回ノミネートされた『川のほとりに立つ者は』は、他者との関わりを改めて考えたくなるような作品です。
『君のクイズ』小川哲
2022年に発表した『地図と拳』で、2023年直木賞を受賞した小川哲さん。
SFテイストのストーリーが特徴的です。
今回ノミネートされた『君のクイズ』も、斬新で新感覚な読み心地を楽しめる作品です。
生放送のクイズ番組の決勝戦にまで出演した主人公が、対戦相手が出題の1文字も読まれないうちに早押しして正解したことに疑いを持ち、真相を解明していくストーリーです。
クイズプレイヤーが、出題途中で早押しをする場面をテレビのクイズ番組で見たことがある方も多いのではないでしょうか?
そんなクイズプレイヤーの思考を覗くこともできる新感覚の作品です。
伊坂幸太郎さんも絶賛しており、早くも注目を集めていますよ。
『宙ごはん』町田そのこ
『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞した町田そのこさん。
今回は再び、ノミネートされるという快挙になりましたね。
『宙ごはん』は、物心ついた時から育ての「ママ」と一緒に暮らしていた宙が、ある日産みの母親である「お母さん」と暮らすことになるストーリーです。
二人の母親の気持ち、宙の気持ちが複雑に絡み合う。
ごはんを通して、人と人の繋がりを感じ、どこか切なくも心温まる作品です。
『月の立つ林で』青山美智子
『月の立つ林で』は、作家生活5年目の青山美智子さんの10作目の作品です。
この物語には、長年勤めた病院を辞めた看護師、売れない芸人、妻子との関係に悩む整備士、家での悩みが多い女子高生、家族と仕事の両立に悩むアクセサリー作家などが登場します。
そんな一見関わりのなさそうな登場人物たちの共通点は、ポッドキャストでタケトリ・オキナという男性の『ツキない話』を聞いていることでした。
それぞれの日常の悩みを抱えながらも、不思議な月の話を聞いていくうちに癒されていくのです。
読後は、温かい気持ちになるはずです。
『汝、星のごとく』凪良ゆう
凪良ゆうさんは、2007年に『花嫁はマリッジブルー』でデビューして以来、BL作家として活躍していましたが、2019年に発表した『流浪の月』が書店員さんの間で話題になり、2020年の本屋大賞を受賞しました。
『汝、星のごとく』は、瀬戸内海の島で育った暁海と、自由奔放な母親に振り回されて島に転校してきた櫂。
二人が自分と向き合い必死に生きる姿が描かれています。
現代の問題提起をしている部分もあり、考えさせられる作品です。
複雑な人間関係を巧みに描き、心理描写が素晴らしい凪良さんですが、本作も文章の美しさに心打たれます。
『方舟』夕木春央
2019年に『絞首商会の後継人』でメフィスト賞を受賞した夕木春央さん。
出版されている作品がまだ少ないため、この作品で夕木さんの名前を知った方も多いのではないでしょうか。
今回ノミネートされた『方舟』は、たちまち話題となっています。
大学時代の友達と従兄7人と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに「方舟」と呼ばれる地下建築の中で夜を越すことになりました。
そんな中、突然起きた地震の影響で、10人は「方舟」の中に閉じ込められてしまい、扉は岩で塞がれ、いずれ水没してしまう事態になってしまうのです。
さらに、仲間の一人が突然殺されてしまうという恐ろしい事態になってしまいます。
「方舟」が水没するまでのタイムリミットは1週間。
犯人を犠牲にし、残り8人であれば脱出できると知った人々は、犯人探しに奮闘するというストーリーです。
始終スリリングな展開で、衝撃のラストには驚愕すること間違いなし!の作品ですよ。
『爆弾』呉勝浩
些細な傷害罪で逮捕された中年の男が、「秋葉原で爆破事件が起きる」と予言をし、その通り本当に秋葉原の廃ビルで爆発が起こります。
さらに、「ここから三度、次は一時間後に爆発します」と言ってのけ、警察を振り回して行きます。
男の言っていることは、果たして本当なのか?
警察は爆弾を止めることができるのか?
ハラハラしながら読む手が止まらない、爆弾・ノンストップ・サスペンスです。
『光のとこにいてね』一穂ミチ
2021年に刊行された『スモールワールズ』が話題となった一穂ミチさん。
今回ノミネートされた『光のとこにいてね』は、小学生の時に初めて出会った二人の女性が、別れと再会を繰り返していく半生を描いた作品です。
友情とも愛情とも言える二人の複雑な関係が楽しめる作品です。
ラストへの伏線に驚いたという評価も話題ですよ。
『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒
全日本音楽著作権連盟の橘は、上司からミサカ音楽教室への潜入調査を命じられます。
ポップスを習いたいと偽り、スパイとして潜入調査を始めると、浅葉桜太郎という優しく誠実そうな男性に出会います。
実は、橘は少女時代に、チェロ教室の帰りにある事件に巻き込まれたことからチェロをやめてしまっていました。
音楽教室へスパイとして潜入していた橘ですが、音楽教室で出会った浅葉や仲間達と打ち解けていたため、真相を突き止めることに複雑な気持ちなってしまうのです。
音楽小説でありながら、少しサスペンスも入った本作は、かなり斬新な設定です。
2023年の本屋大賞ノミネート作品からも目が離せない!
本屋大賞の詳細や、2023年本屋大賞ノミネート作品のあらすじや作家さんについての情報をご紹介してきました。
今年も、個性豊かな作品揃いでどれも面白そうですよね!
2023年本屋大賞発表は、4月12日です。
ぜひ、気になった作品を読んでみて下さいね!